2020年7月20日月曜日

淘汰されていくパタヤのバービア。

夜の街は7月より解禁されたタイ。


解禁されたからと言って、

あの賑わいが戻ってくるわけでは無い。


夜にはっちゃける変態は旅行者&出張者だったのが明白となった。

俺たち在住者は無罪だ。



しかし、その罪深き外国人がいない中で、

夜を解禁したとしても、

あの華やかでゲスな街パタヤが戻ってきたりはしない。


それどころか、

パタヤらしい情緒がどんどんと無くなっていくような気がするのだ。




パタヤの定宿の一つがマーチホテル。

数年前からの定宿にしていたが、

近年は少し距離を置くようになった。

この周辺が極端にインド人街と化していったからだ。

夕方にはインド人の集団が外でチャイを飲む。

インドに行けば夕方の普通の風景なのだが、

パタヤに来てるこいつらは少し違う。

インド国内で抑制されていたはずの「性」が、

開放に向かってオーラを上げている時間になるので、

あのパタヤの中においても、異様な雰囲気を醸し出していた。



しかし、インドからの旅行者が途絶えた今、

なんとも寂しい通りになった。

あの騒がしかったインド人たちは、実は必要だったのかもしれない。







多少は人が戻ってきたパタヤと言っても、

国内旅行者か、

長期滞在の白人ばかり。

通りの隅まで張り巡らされた場末のバービアやエロマッサージを、

養うほどの金を落とせるわけでは無い。


ソイの奥に行けば行くほどシャッターが閉まっている。

この辺のバービアも無くなったんだ…

と思いながら通りを歩く。

ただ、そんなバービアはそもそも客などいなかったお店がほとんど。



この機に、パタヤのバービアが淘汰され始めたのだ。


あの場末の情緒なんて、

不況の時代には必要ないのかもしれない。




WS入口手前のバービア群。

規模はそこそこではあった。

一等地にありながら、

クオリティーには難があった妖怪ゾーン。


ここも淘汰されてしまった。



WS崩れのおばちゃん&おでぶちゃんのバービアだが、

どこかに需要があったのだろうか、

最低限の客は引付けていたように思う。


そんな客の一人が俺で、

ちょくちょくここで飲んでいた。


パンチの効いた嬢が主力ではあったが、

ちょと奥のお店で、

若干のエンジェルに出会ったのはもう5年も前の話。



まさに場末に咲く一輪の花。


たぶん普通の子だったと思うのだが、

この独特の場がこの子を必要以上に輝かせていたのかもしれない。


何度かこのお店に行くようになり、

LINEで連絡も取るようになる。

次回のパタヤ訪問の際に遊ぶ約束になったのだ。


時は熟した。

さぁパタヤへ上陸。


そんな時、ふとLINEのタイムラインに、

この一輪の花ちゃんと、そのお母さんがお寺に行ってる写真を見つけてしまった。


もんぺのようなズボンで、

お母さんとピースしていた。


あのバービア嬢の、

こういう何気ない素朴な素顔に、

おいおい、俺はパタヤで何をしようとしてるのだと、後ろめたくなった。



お店には行ったが、

今日もビールだけ飲むことするよ。


「あ、そうなの。大丈夫よ、これから私たちディスコに行くから!」

うむ?お客と??

「そう。そこのファラン」


えぇ…

って事は、もともと約束なんて…

何も時など熟していなかった。


夜の街にもんもんとしてやってくるおっさんが、

いくら思慮を巡らせたところで、

そんなものに忖度するメリットなどあるわけないのだ。



ファランとディスコに向かう一輪の花。

そんな後姿を、淘汰されたバービアを見ながらふと思い出す。



あの子たちは今どうしてるんだろうか?

田舎に帰ってるのだろうか?

稼げているのだろうか?

幸せになってるのだろうか?



などと考えたところで、

それこそ「ディスコ行くから」と同じように、

みんな勝手に人生を送ってるわけだ。



潰れたバービア越しに海を眺めながら、

くだらない思い出に無駄に浸ってみたところで、

余計なお世話よ、の一括で全てが終わってしまうのだ。



ただ、そんな男たちがいないと、

パタヤの街にしょーもないゲスドラマも生まれない訳なので、

あのインド人たちと同じように、

この思考の男たちって言うのは、

パタヤとっての必要悪だったのかもしれない。




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