2018年12月21日金曜日

鳴り物入りで入社してきた男が、1カ月でクビになった話。〜その4〜

そんなブルーノ氏がとうとう本社に入社してきた。


とうとう始まるのだ。

本社で1年の研修をしながらタイにも出張で協力。

1年後には本格的にタイ駐在で実力を発揮してもらう。

そんな本社からの通達がきた。



暴走気味のブルーノ氏。

1年もの期間に何かしでかすんじゃないか?

モチベーションアップの為の取り組みとか、思いあがった理想論とか、

そんな発言を本社で主張して、その後処理をこっちで。

あぁ、余計な仕事が増えるのだろうか?



ブルーノ氏はそんな俺の心配など知らずに、

本社で研修に励むこと2週間。

なんと、もうタイの出張命令がでたのだ。

タイへの出張予定のエンジニアがタイ語NGのため、

タイに同行して通訳&補佐しろとの御通達。

ブルーノ氏はタイ歴も長い為、

会話程度のタイ語は話すことができる。



もうタイ事務所に来るのか?

本社での評価はまだ高いのか?

これはいずれブルーノ氏はトップにし、俺は彼の部下になるのか。

しかしそれが会社組織というもの。

なんとか彼とコミュニケーションを取る必要がありそうだ。




しかし、そんな流れが大きく変わる。


それはブルーノ氏の出張数日前だ。

同行で来るエンジニアはこっちでホテルを予約。

ブルーノ氏はタイにも詳しいので自分でホテルをとると主張。

まぁどこでも勝手に泊まってくれていいのだけど、

出張者を預かる身からすると、どこのホテルに泊まるかは知っておきたい。

ブルーノ氏はどこに泊まるのか??

本社でもその話題が持ち出した。

ブルーノ氏は何も報告していないのだ。


本社幹部「ブルーノよ。君はどこに泊まるのだ」

ブルーノ氏「いや、えーと。私はタイに知り合いが居るもんですから」
    「その部屋の方がコストも安いですよ」

本社幹部「おいおい、遊びに行くんじゃないぞ」
    「会社の仕事だ。そこで何かあった場合、だれが責任を持つのだ。」

ブルーノ氏「いや、えーと、でも…ごにょごにょごにょ」


本社幹部「勝手なところの泊まるんじゃない。ホテルに泊まりなさい。」
    「泊まるところは、タイの責任者に報告しなさい。常識だ馬鹿もん!」


ブルーノ氏の片鱗が出始めたようだ。

本社幹部より電話がかかってきた。

「すまん、とんでもない奴をタイに送り込むことになるかもしれん。
ちょっと暴走する気配があるので、必ずお前に報告、連絡するように伝えてるから。
ホテルの名前はあとでブルーノからメール来ると思う。」



急展開の評価ダウン。

あれほど高評価だったのが2週間の本社研修でこの様だ。


本社幹部よりブルーノ氏から宿泊場所の連絡が行くからと言われたが、

結局、ブルーノ氏からの何の連絡は来ないまま出張当日。

たしかもうタイに到着しているが何の連絡もない。


さすがに本社幹部に連絡を入れた。

ブルーノ氏からメールも電話も無い事。

勝手にホテルをとられても、毎日の送迎は出来ないこと。

何も連絡ないので、仕事内容は何も指示していないこと。

タイに到着したかどうかの連絡もないこと。


本社もびっくり。

あいつ、何も連絡無いのか!!

すぐに、ホテル名と住所、電話番語を連絡させるから。


と怒っていたが、そんなブルーノ氏を評価してたのは君たちだよ。

と言うのは控えておいた。


本社幹部からの怒りの通達があったのか、

その日の夜、殴り書きのようなメールが届いた。

前職時代に住んでいたというサービスアパートの名前。

結局、ここに泊まるなら、なぜあれほど無駄な主張をしてきたのか?

こんなしょーも無い事で、

会社からの批判を受けながらも、宿泊先にこだわったのか。



そして、ホテル名の下には住所も記載されていた。

タイの住所なのでピンと来ないのだけど、

ブルーノ氏滞在先のこのホテルは、バンナ地区になると思っていたが、

ベーリン地区という記載。

え、あそこってベーリンか?

ま、いいか。

この時は、若干の違和感を残しながら納得したが、

この住所があとあとに大きな波紋を残すことに…




次回からはクズ話だよなって思った方は


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