タイでの滞在1週間。
もう、このころにはボロが出始めた。
本社側からもブルーノ氏叱責の声も聞こえるようになる。
まだ将来の2名体制がある、と思っていたこの時期。
本社に信用されていない男との共存は、
俺にとってもマイナスなので、
逆に、本社側にブルーノ氏のフォローに走る俺。
しかし、そんな俺の心を折る事件が2件。
俺も大人だ。
仕事は仕事でしてやる。
でも、プライベートでは絶対関わらない、と思わしてくれた。
俺は出先での営業中。
事務のタイ人からLINEで写真が送られてきた。
うむ?
何やら手書きの領収書。
事務の子「あの、ブルーノ氏がこの領収書出してきて、お金くれって」
え?また勝手にこの男は…
で、何の領収書?
事務の子「BTS(高架鉄道)と、モーターサイ(バイクタクシー)」
BTS??
ブルーノ氏が俺に送ってきた宿泊先の住所は、会社まで徒歩圏内。
モーターサイでも10バーツほどだ。
で、いくらよ??
事務の子「2000バーツ。しかも、正規の領収書じゃなくて、ブルーノの手書きよ」
ちょっと待て。
自分作の領収書、そんなもん勝手に出したんか?
俺「無視しといて。俺から話す」
事務の子「私では許可できない。俺さんに連絡してって言ってる」
なるほど。
では、ブルーノ氏からの言い分を聞こう。
しばらく待つとする。
で、2日間。
音沙汰なし。
ってことは、俺には多分通らないので、タイ人に強引に行ったのか?
俺「あの、ブルーノ氏。領収書のことですけど、なんですかあれ?」
ブルーノ氏「あ、BTSとモーターサイです」
俺「いや、勝手になんで出すんですか?」
ブルーノ氏「え?いや普通ですよ。」
俺「手書きの自作領収書が普通なんですか?」
ブルーノ氏「え?だってモーターサイ領収書でないですよ(笑」
あーしんどい。
こいつはこっちの意図を全く、くまない。
伝わらない。
年上だがドンというしかない。
俺「あの、何回も言いますけど、あなたはタイの駐在員じゃない。出張者。」
「勝手にタイで清算されたら困る。」
「そもそも、あんたの住まいからBTS乗らないでしょ。」
ブルーノ氏「これは…空港ついてから、宿泊先まで行った時の…」
俺「それがこんな金額か?」
ブルー氏「プリペィだったので、まとめて1000バーツ分を買いました」
買いましたじゃねぇよ。
なんで実際の使用した金額以上を会社が払うんだよ。
そもそもその買った証拠もねぇ。
だって領収書は市販のもので、そこに自分で手書きで書いただけの金額。
俺「そもそもこんな手書きのものは認めません」
ブルーノ氏「え?でも前職はこれが普通でしたよ」
前職…
そう言えばブルーノ氏はこんなことを言っていた。
前職では権限はもらえなかったんです。
少額の物を買うにも本社の承認がいるんです…
前職の本社、これはブルーノ氏のこう言うところを見抜いていたのだろう。
俺「あなたは試用期間の身です。」
「もし、必要経費がかかるなら、俺にまず相談しなさい」
「間違っても、勝手にタイで清算するなよ」
このあたりで、ようやく大人しくなる。
しかし、このBTSとモータサイの金額。
これが今後の伏線だったとは、まだ気づかない。
もうブルーノ氏を普通の大人とは見れなくなってきた頃。
竹しゃんとブルーノ氏の3人でカレーを食べに。
大きなお金しかないって事で、
竹しゃんがとりあえずまとめて1000バーツで支払。
お釣りが戻ってきた。
20バーツ紙幣と小銭をチップで置こうとする竹しゃん。
待てよ、ここはすでにサービス料10%込み。
俺「そんなに置かなくていいですよ。もうサービスチャージ払ってますから」
竹しゃん「お?そうなのか。」
で、20バーツを財布に戻す竹しゃん。
ブルーノ氏「小銭も置かなくていいですよ。もったいないですよ」
竹しゃん「うむ。まぁ小銭はチップで置いとく」
じゃ、行きましょうか。
で、俺はかすかに聞こえた。
(え、もったいないですよ。)
そして視界の片隅でとらえた。
その数バーツのチップを自分のポケットに入れるブルーノを。
おい、それはまずかろう。
それはお前へのチップじゃない。
その日の残業中に竹しゃんがぽそっと。
「おい、あんた大変やで。来年からブルーノ氏と二人。」
温厚の竹しゃんですら気づいていた。
「あれは、わしの話なんか聞いてないわ。何回説明しても、ダメやわ。」
今日のあのチップ見ました?
「おう、あれはワシも見てもうた。あれは…」
入社2週目で本社での評価を急落させて男。
1週間あれば、タイでボロがでるには十分な時間だったようだ。
そんな状態で来週から、タイの地方での泊まり込みでの仕事。
ここでタイ人からの評価も地に落ちることになる。
なんでそんなやつを採用したのか?って思った方は
↓
にほんブログ村
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿