タイの事務所に日本人を1名補充する事となった。
俺のいる事務所には、
日本人は俺一人。
足りない部分は日本からの出張者でカバーしてもらっていたのだ。
しかし、ここらで日本人をもう1名駐在員を増やそう。
経験のある40代を採用して、
タイの事業所に新展開を期待しようじゃないか。
と盛り上がる本社。
うむ?
という事は俺は降格か?
そのあたりはうやむやなまますすんでいたが、
まぁ給料は変わらないようなので、どっちでもよかった。
そんな中、候補者を何名かタイで面接した。
本社側の幹部数名、実務に携わる課長級、そして俺の数名での面接。
そこに現れたのが今回の主役ブルーノ氏だ。
さすがに本名を出すわけにはいかない為、
偽名、ある程度のフェイクを入れて行く。
ちなみに日本人だ。
ブルーノ氏は40代半ば。
現在はタイでMD職(現地社長)をしているようだ。
MDの職に就いているようだが、
本社から権限を与えてもらえないらしい。
権限をもって仕事をしたい、ってのが今回の転職の動機のようだ。
この時点で俺は疑問視。
だって、それって信用されてないんじゃない?で終わった。
転職したら権限与えられるって甘い話だ。
それにしても、このブルーノ氏。
よくしゃべる。
面接で聞いていない事も、
話がそれ始めても、
とどまることもなくしゃべるのだ。
オチもなく。
つまり面白くない話ってことだ。
このおっさんと働くのは疲れそうだよ。
だって、会話にならんよ、これ。
ブルーノ氏の話は本線を基本的にづれているのだ。
これで営業職が務まってるのが不思議なもんだ。
そもそもこっちの質問の意図、理解してる?
そして長い面接終了。
2時間にも及ぶ面接が終わった。
そんな長くってことは、もしかしたら本社メンバーはブルーノ氏を気に入ったのか?
やばいぞ、それなら。
本社のメンバーから感想を聞かれる。
俺は△っす。
だって、話してる内容が意味不明っす。
しかし、本社のメンバーからは概ね好評だった。
絶賛する者もあらわれた。
しかも幹部クラスが。。
これは嫌な予感。
自分で考えて営業する積極性がある!らしい。
よくこんな面接で読み取れたな。
そんなもん、面接なんで何とでも言えると思うのだが。
そして何か月か過ぎると、
本社側でブルーノの評価がうなぎ登りに上がっていた。
あいつしかいない!
ああ言う男を待っていたんだ。
と言う始末。
正直、どこに惚れたのかわからんっす。
が、お偉いさんが気に入れば、話はとんとん拍子にすすむ。
どうやらブルーノ氏の現職の退社の話もすすみ、
本当にあのブルーノ氏が入社してくる日が現実味を帯びてきたのだ。
ブルーノ氏はタイに滞在中だったので、
本社からは一緒にご飯でも行って親睦を深めなさいとの指示も。
嫌だ。
だって会話なんて通じないよ。
あの永遠に本線に戻らない話をしろと?
そんな中、ブルーノ氏からメールが・・・
「宜しくお願いします。
私はあなたの上司になりますが、偉そうにはしません。
一緒の会社をどうよくするか考えましょう!
前回参加したセミナーの資料です。
タイ人のモチベーションを上げる方法などについての資料になります。
是非、参考にしてください」
いきなり俺の上司宣言。
本社からはフラットな立場を言われていたのだ。
まだ決まってないと思いますが?いつから上司なんですか?
って言うのは、打つのを辞めといた。
ケンカしたいわけではない。
同じ職場になるなら上手いことやらないといけないわけだし。
タイ人のモチベーションをどうこう言う前に、
どうやって仕事を受注するか考えましょう。
って打ちたかったがこれも止めておいた。
こういうセミナーに参加する人種と言うのは、
モチベーションアップ的な話が大好きで、正義と化しているので、
波風立たさない方がよい。
そして・・・
「ご飯でも行きましょう」
とうとう来たか。
まぁ俺もサラリーマンの端くれ。
行きたくない食事会の参加には慣れてるわ。
あぁまともな話出来るのかなぁ。
続く
話が長いだけで、ええ人そうやん!って思った方は
↓
にほんブログ村
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿