2019年1月6日日曜日

鳴り物入りで入社してきた男が、1ヶ月でクビになった話。 〜その8〜

ブルーノ氏、タイでの出張3週目。

タイ人からは一緒に働きたくないと言われ、

年下の俺からはボロクソに言われるようになった、

かつては鳴り物入りだった大型新人。


本社からの評価も、このころには底のほうまで転がっていた。

工事出張の最終日、

本社幹部より電話が。

ブルーノ氏はどうだ?との様子伺いだ。

本社幹部よりお前は新人なのだから仕事の報告を常にしろ!と指示していたようだ。

本社幹部「ブルーノ氏から本社には何の連絡もないが、君には連絡来てるか?」

俺「いえ、一切ないです。メールも電話も。」
 「仕事の進捗は、エンジニアの竹しゃん、タイ人と取っていますが。」

本社幹部「なに!!何も連絡が無いだと!!!」

暴走気味のブルーノ氏なので、

結構しつこいくらいに、

毎日の仕事報告を、タイの責任者の俺にするよう言っていたようだ。


本社幹部「あいつに、私に連絡させるように言ってくれ」


あ〜、もう本当に信用されていないのだ。

出張明けのブルーノ氏にさっそく聞いてみた。

俺「ブルーノ氏。本社幹部から仕事報告について言われてましたよね?」
 「なぜ、一度もなかったんですか?」
 
ブルーノ氏「え、報告はこれからするつもりなんですよ。」
     「これから報告書かきますので。」

俺「あ、そう。で、毎日する約束だったけど、それでいいんですね。」
 「じゃ、本社からすぐに連絡して来いって指示あるんで、よろしく。」

もう、ほっておこう。

って思ったのが失敗だった。


今回ブルーノ氏が同行した仕事だけど、

工事までの打合せなどは日本からの出張者のコボさんを中心で進めていた。

もちろん価格の打合せから仕事内容まで。

受注できたのはそこまでの過程があってからだ。


しかし、ブルーノ氏にはそんなとこまで気は回らない。



ブルーノ氏からの報告らしいメールが本社に送られた。

これを見て怒ったコボさんから電話がかかってきた。

コボさん「おい、なんだあいつのメールは。お前は確認したのか?」

俺「いえ、また勝手に送ったんですね。内容は見てません。」

コボさん「そうか、ちょっと転送するから見てくれ。」


ブルーノ氏からのメールが転送されてきた。

報告書を書くと言いながら、結局送ったのは簡易のメール。

夜3時まで頑張って仕事した、みたいなアピール。

ごめん、あんたが寝ていて、蚊よけを領収書で

回そうとしたことも本社にチクってますが。


しかし、そんな自己顕示よりも、恐ろしいコメントが最後に。


この仕事内容ですと、私であればもう50万バーツ高い見積りで受注します。
精度の高い見積りが必要だと感じました。


なんだこれ??

この仕事を受注しようと頑張ってきたコボさんの過程は無視のこのコメント。

無視と言うより批判だろ、これ。

もちろん50万バーツアップの根拠も何もない。

ただの幼稚な発想。

きっと、夜中の3時まで仕事がかかったことが懲りているのか?

お前は寝てただけだけどな。

しかも夜中まで延びたのは、工事のちょっとしたミスがあったから。

そこの指示がうまくいっていれば夜中までかからなかったのだ。

ミスの内容はわかっているのか?

わかっているはずもない、だって寝てたから。


翌日、本社幹部からも連絡が。

本社幹部「おい、なんだこの報告は。お前はこのメール見たか。」

昨日の経緯を説明。

本社幹部「しかも、あいつは何の連絡もないぞ。」


え?昨日連絡するように指示しましたけど…


おい、ブルーノ!


ブルーノ氏「え?昨日メールしましたけど。」


あ、あのメールで済んだと思ったいたのね。

だってよ、本社の幹部殿。


本社幹部「あいつ…ちょっとスカイプ会議しよう。」


と、急遽スカイプ会議という名のブルーノ裁判が開かれた。


もう、この頃になると期待の新人なんて、幻と消えていた。

スカイプ会議はいきなりブルーノ氏への罵声から始まる。

自分がなんでこんなに言われてるのかピンと来ていないブルーノ。


本社幹部「もういい。お前のは毎日レポートを作れ。」
    
もうそんなことしても効果ないって。


しかし、その日からブルーノ氏の報連相メールを俺が確認して本社に送るようになった。


このメール内容がまるで幼稚な感想文。

しかも客先名も、担当者名も誤字だらけ。

自分の所属先も、営業部だったり、海外営業部だったり、タイ事務所だったり。

最初は原文を転送したけど、

あまりの内容に本社からの追及が増す。

仕事の指示しているのか?教えているのか?なんてこっちに被害が及びだしたので、

ブルーノ氏にメール内容の訂正も要求。


あんたの所属部は、試用期間なので、総務部ですよ。

この客先名は間違ってますよ、名刺確認してしっかり書きましょう。

この打合せ内容は正しいか、先輩の竹しゃんに確認しましたか?


タイの代表候補、期待の大型ルーキー…ってこれは新卒の新入社員への教育か?


ブルーノ氏は基本的に定時に帰宅なので、

幼稚なメールを俺に送りっぱなしで帰ることも。

あ、またミスだらけだし、打合せ内容が感想文。

またこれ送ると、こっちまでいろいろ言われるなぁ。


本社に連絡を入れる。


もう、ブルーノ氏の報連相メールチェック、勘弁してください。

原文送るんで、それでブルーノ氏を評価して。


ちょっと仕事放棄かなって思ったけど、

このころのブルーノ氏の評価は底。


すまんな、お前に迷惑をかけている。



かつて、こんな男を待っていたんだとブルーノ氏を大絶賛していた幹部ですらこれ。



そんなブルーノ氏。

もう、こいつまじか?ってメールが本社に送付される。


「前回の工事で休日2日働きました。 
 タイ出張4週目の木曜日、金曜日でこの振休を使いたいと思います。」


その週の水曜日はタイの祝日。

木、金、休んじゃうと5連休。


馬鹿なのか?


日本からの出張者が出張中に5連休。


おかしいと思わないのか?


休日出たのだから振休はとってもいい。

でもね、日本帰ってからにしてくれよ。

本社に連絡を入れてみた。


もう本社もどうでもいいやって感じになってきた。

本社「正直どうよ?あいつが木、金、出社するのは必要か?」

俺「いえ、どっちでもいいです。」

本社「もう、休み取らせろ。お前もその方が面倒みなくていいから楽だろ?」


もちろんそうっす。

でも、なんか腹立たしい。


しかし本社からも評価が下がるというか、もう見放された感じだが。



結局、出張中に5連休をとったブルーノ氏。

休暇あけの最終週。

木曜が日本帰国予定日なので、タイ出張も残り3日。


でも、まだまだ波乱はつづく。



そろそろ終盤かな?って思った方は。


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