2013年11月3日日曜日

プラカノンのローカル名店でチムチュムを。~思い出ぽろぽろ~

タイへ赴任して2ヶ月、

俺はプラカノンでホテル住まいだった。

日本人との付き合いがある日は日本食。

タイに来たばかりで、

何が何でもタイ料理を食べたかったので、

時間がある日は、プラカノン周辺のローカル料理屋を探したものだ。



ここには隠れた名店が多い。

別に隠れているわけではないが、日本の情報誌にはあんまり出てこない。

ゲートウェイのエカマイ、

コンドー建設ラッシュのオンヌットにはさまれながらの、

ローカル最後の砦。


そんな愛すべきプラカノンに最高の名店がある。

スクンビットのソイ71を曲がり100~200mくらい行くと左手に見えてくる。

こいつだ。




このあたりで、オープンな感じで海鮮物とか並べているのですぐわかる。


今日は、日本から友人が来たので、久々にやってきた。

まずはチムチュムを注文する。

シーフードと豚だ。


ガスコンロ?

炭火に土鍋。

これがチムチュムの醍醐味だというのに、これも時代か!

まぁ、よい。

味がよければ問題ないのだ。


周りを見ればチムチュムをオーダーするタイ人もたくさんいる。

このスープがうまいのだ。



思い返せば、この店にはプラカノン時代に良く来たものである。

1年前に初めて来た時、かわいいウエイトレスがいた。

味もさることながら、それはまさに衝撃だった。

俺は、その子をプラカノンの天使と呼んだ。

タイ語もタイ料理もまだわからないあの頃、

おすすめ料理を教えてくれた。

コームーヤン。

ここのコームーヤンの本当に美味しい。

他のコームーヤンとの差をどう出しているのか不思議なほど、

ぶち抜いて美味のだ。

しかし、そんな味をも凌駕する天使。

20歳前後、決して美人ではなかったが、天使の笑顔は格別かわいかった。

応援したくなるような感覚。

ファンだ。

俺はすぐにプラカノンの天使のファンとなった。


俺はこの店を、天使の店と呼んだ。



そして、しばらくしてこの子はいなくなった。




この店にはビールのチャンのキャンペーンガールが働いていて、

俺たちが来るとプラカノンの天使と共にメニューを聞きにくる。

決して美人ではないが、この子も愛嬌があった。

美人よりも愛嬌が大切だ。

そんなことを俺に気づかせてくれた。

ナイスバディでは無かったが、むちむちだった。

そして、なによりそれは俺を魅了した。

スナックのママになってほしかった。

そんなママのお店に通いたかった。


そして、いつしかこの店をチャンガールの店と呼ぶようになった。


が、彼女もこの店からいなくなった。

キャンペーンガールだから仕方が無い。

3ヵ月後、オンヌットのナイトマーケットでチャンガールと再会することになるのだが。



プラカノンの天使とチャンガールが去ったこの店には、

なぜか、おかまばかりになった。

レディボーイのように華やかではない、ただのおかまだ。

おかまに対する偏見はないが、

天使とチャンガールの2枚看板を失った今、

引越ししプラカノンを去った俺にとって、

ここまで来る理由は、もう無かった。



2月14日。

非番のゴーゴーの子から連絡があった。

オンヌット住まいのTちゃんだ。

Tちゃんは人気店のゴーゴー嬢で、

人気嬢だ。

常にお客さんがついていた。

Tちゃんの勤務するゴーゴーバーには、日本から誰かが来るとよく行った。

別にペイバーする訳でも、豪遊したわけでもないが、

映画好き、料理好き、オンヌット住まいという共通点でLineを交換していた。

そして、はじめてご飯を行こうというお誘いが来た。

Tちゃんはプラカノンで美味しいタイ料理があるからといって、

偶然にもこのチャンガールの店に来た。


ここは室内にも部屋があって、音楽の生演奏がある。

やかましくて会話が聞きづらいが、タイ人はこういうのを好む。

俺たちは、魚の蒸したものを食べた。

味はおいしかったとしか覚えていない。

俺はそれどころではない。

2月14日という日。

俺を誘う。

ゴーゴーバーの子。

この後を期待する、いやダメだ。

それでは、その辺の奴と同じだ。

大人の余裕を見せるべきだ。

いや、でも向こうから、いやいや、相手はプロだ。

しかし今日はプライベート。


頭の中は、もんもんだった。


Tちゃんの話を聞くと、

プライベートでも仲の良かった男(日本人)ともめて、

出勤するとそいつに会うかもしれない。

今日はあいつの顔なんて見たくない。

だから、今日は一緒にご飯を食べて欲しかったの。


代役?

俺の存在とは何かと自分に問いかけたが、そんなことはどうでもよかった。

一緒にご飯食べて欲しかったの。

その一言に、

惚れ…かけた。



そのTちゃんとはそれから数ヶ月、

よく遊び、よく飲みに行った。

あの始まりは、

この店だった。

ここは始まりの店だった。


俺たちは、この店を始まりの店と名づけた。



Tちゃんとは今では某理由で連絡は無い。



結局、何も無かったので、あの店が始まりの店とはならなかった。

何も始まりはしなかったが、

映画に行き、料理を作ってきてくれたり、

ビアガーデン行ったり、ボーリング行ったり。


あのときの数ヶ月は楽しかった。


それでよいのだ。




いつか、この店を、始まりの店と呼べる事を願って。



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