2018年12月25日火曜日

鳴り物入りで入社してきた男が、1カ月でクビになった話。〜その6〜

タイでの滞在1週間。

もう、このころにはボロが出始めた。

本社側からもブルーノ氏叱責の声も聞こえるようになる。

まだ将来の2名体制がある、と思っていたこの時期。

本社に信用されていない男との共存は、

俺にとってもマイナスなので、

逆に、本社側にブルーノ氏のフォローに走る俺。



しかし、そんな俺の心を折る事件が2件。

俺も大人だ。

仕事は仕事でしてやる。

でも、プライベートでは絶対関わらない、と思わしてくれた。



俺は出先での営業中。

事務のタイ人からLINEで写真が送られてきた。

うむ?

何やら手書きの領収書。


事務の子「あの、ブルーノ氏がこの領収書出してきて、お金くれって」

え?また勝手にこの男は…

で、何の領収書?

事務の子「BTS(高架鉄道)と、モーターサイ(バイクタクシー)」

BTS??

ブルーノ氏が俺に送ってきた宿泊先の住所は、会社まで徒歩圏内。

モーターサイでも10バーツほどだ。

で、いくらよ??

事務の子「2000バーツ。しかも、正規の領収書じゃなくて、ブルーノの手書きよ」

ちょっと待て。

自分作の領収書、そんなもん勝手に出したんか?


俺「無視しといて。俺から話す」

事務の子「私では許可できない。俺さんに連絡してって言ってる」


なるほど。

では、ブルーノ氏からの言い分を聞こう。

しばらく待つとする。


で、2日間。


音沙汰なし。


ってことは、俺には多分通らないので、タイ人に強引に行ったのか?


俺「あの、ブルーノ氏。領収書のことですけど、なんですかあれ?」

ブルーノ氏「あ、BTSとモーターサイです」

俺「いや、勝手になんで出すんですか?」

ブルーノ氏「え?いや普通ですよ。」

俺「手書きの自作領収書が普通なんですか?」

ブルーノ氏「え?だってモーターサイ領収書でないですよ(笑」

あーしんどい。

こいつはこっちの意図を全く、くまない。

伝わらない。

年上だがドンというしかない。


俺「あの、何回も言いますけど、あなたはタイの駐在員じゃない。出張者。」
 「勝手にタイで清算されたら困る。」
 「そもそも、あんたの住まいからBTS乗らないでしょ。」


ブルーノ氏「これは…空港ついてから、宿泊先まで行った時の…」

俺「それがこんな金額か?」

ブルー氏「プリペィだったので、まとめて1000バーツ分を買いました」


買いましたじゃねぇよ。

なんで実際の使用した金額以上を会社が払うんだよ。

そもそもその買った証拠もねぇ。

だって領収書は市販のもので、そこに自分で手書きで書いただけの金額。


俺「そもそもこんな手書きのものは認めません」

ブルーノ氏「え?でも前職はこれが普通でしたよ」


前職…

そう言えばブルーノ氏はこんなことを言っていた。

前職では権限はもらえなかったんです。

少額の物を買うにも本社の承認がいるんです…


前職の本社、これはブルーノ氏のこう言うところを見抜いていたのだろう。


俺「あなたは試用期間の身です。」
 「もし、必要経費がかかるなら、俺にまず相談しなさい」
 「間違っても、勝手にタイで清算するなよ」


このあたりで、ようやく大人しくなる。

しかし、このBTSとモータサイの金額。

これが今後の伏線だったとは、まだ気づかない。




もうブルーノ氏を普通の大人とは見れなくなってきた頃。

竹しゃんとブルーノ氏の3人でカレーを食べに。

大きなお金しかないって事で、

竹しゃんがとりあえずまとめて1000バーツで支払。

お釣りが戻ってきた。

20バーツ紙幣と小銭をチップで置こうとする竹しゃん。


待てよ、ここはすでにサービス料10%込み。


俺「そんなに置かなくていいですよ。もうサービスチャージ払ってますから」


竹しゃん「お?そうなのか。」

で、20バーツを財布に戻す竹しゃん。

ブルーノ氏「小銭も置かなくていいですよ。もったいないですよ」


竹しゃん「うむ。まぁ小銭はチップで置いとく」


じゃ、行きましょうか。


で、俺はかすかに聞こえた。


(え、もったいないですよ。)


そして視界の片隅でとらえた。

その数バーツのチップを自分のポケットに入れるブルーノを。


おい、それはまずかろう。

それはお前へのチップじゃない。



その日の残業中に竹しゃんがぽそっと。

「おい、あんた大変やで。来年からブルーノ氏と二人。」

温厚の竹しゃんですら気づいていた。

「あれは、わしの話なんか聞いてないわ。何回説明しても、ダメやわ。」


今日のあのチップ見ました?


「おう、あれはワシも見てもうた。あれは…」



入社2週目で本社での評価を急落させて男。

1週間あれば、タイでボロがでるには十分な時間だったようだ。


そんな状態で来週から、タイの地方での泊まり込みでの仕事。


ここでタイ人からの評価も地に落ちることになる。



なんでそんなやつを採用したのか?って思った方は


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